痙攣性発声障害を改善させるポイントは「声の響く」感覚を知ること
私たちは、「自分の声」が自分以外の人にどう聞こえているか、意外に分からないものです。
それもそのはず、普段自分の声は「内耳」=「骨伝導」で聞いている部分が大きく、
純粋に「外耳道」から空気振動として音響的に入ってくる音で聞いていないからです。
そのため、録音された自分の声を聞くと「え?これが自分の声!?」とぎょっとしてしまいます。
純粋に音響的に聞く自分の声は「自分の声でないみたい」、と思っても
しかし、他の人はいつもそれを「あなたの声」と認識しているのです。
痙攣性発声障害を始め、あらゆるタイプの「発声障害」は「自分の声の聴き方」のズレから起こります。
生理的な声帯閉鎖の度合いを超えて声帯を強く閉めてしまう習慣に傾いてしまうのは、
「自分の声を自分に聞こえやすくしてしまう」ことから始まるのです。
どういうことかと言うと、
声帯を強く閉めたほうが一見「強く鳴る」ので声量が出るし、声を「胸に落とす」ような低い周波数のほうが身体に良く響くので、自分の内耳には聞こえやすいのです。
発声障害に陥った方に多いのが、この「胸に落とす」発声です。つまり「胸に響かせて」聞いているのです。
「胸に声を落とす」とは、「息の吐きすぎ(または止めすぎ)」と共に舌根を下方に下げながらの発声です。
これをすると、声帯も押し込まれながら閉鎖することになり、生理的な閉鎖状態ではなくなります。
また、「構音(子音付加)」もこれに伴い、どんどん口腔の奥にポイントが引っ込んでゆきます。
すると、声はのどの奥に蓋をされたような状態で、外に通っていかないことになります。
「声がこもる」とは、このような状態の発声になっているのです。
男性女性に関わらず、自分の声帯に合っていない「声の高さ」で声の酷使を行うことが発声障害の発症原因になっています。
ほとんどの日本人の母音は鼻腔共鳴気味であるのが普通です。
声は舌の後ろを回って鼻腔の入口である軟口蓋あたり、上顎付近に声が響くのが通常の共鳴です。
よって顔面に声は共鳴します。ゆえに顔面中央の鼻根にも指で触れれば振動が感じられます。
下顎や咽頭、舌や喉頭に力みがあると、この感覚が分かりにくくなります。
まずはこの「顔面に声が共鳴する感覚」を知ることが、発声障害の改善の近道なのです。
これは、声が最も口腔内に入ってくる感覚であり、声帯の閉鎖状態や、呼気とのバランスが最も良好な時に起こります。
「声の通り」は、正常な発声の結果として「外界に心地よく聞こえる」ものであり、「自分の内耳に聞こえる」高さとは違っていたりします。
この感覚のギャップを知り、自分の発声の感覚のズレに気づくことが、最も重要なのです。
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