歌唱系の発声練習を繰り返しても、発声障害が良くならない訳
2022/11/25
発声障害は、必ず「声の酷使」をした期間の後に症状が現れます。
それまで無理がきいてきた「声」は無限ではないのです。「声」は生モノです。
歌うことや声を使った表現が大好きで、これまで何時間使っても平気、「声枯れ」など起きたことがない、という人でも、
一歩間違うと「発声障害」は起こりえます。
自分の声に意識的なヒトほど、
「もっと高い声を出したい」、「もっと鳴りのよい低音を出したい」、「もっと声を太くしたい」
「もっとハッキリ話したい」など向上心が強いため、
意識的に、または無意識下で自分の発声に操作を加えてしまうことがあるのです。
まさにその「操作」の習慣性によって、これまでの生理的な発声回路に余分な運動(動き)が入り込むことが
「発声障害」です。
身体でさえ、かけてはいけないところに無理な力がかかったり、同じ箇所を頻繁に使い続けたことによる筋肉疲労が蓄積して
酷使した期間が長くなると、それこそケガをしたり、関連部位に違和感や不調が出ます。
身体や四肢の部位に起こるのと同じように、発声器官にも不調は起こるのです。
声が割れる、のどがつまる感じがする、声がかすれる(声にならない)、声がひくっり返る、声が揺れる、声が抜ける、
というような不安定な状態がある。
また、「ことばが言いにくい」「頑張らないと言えないことばがある」といった症状も、発声障害の一種といえます。
それらの違和感を否が応でも自覚するレベルになっているという事は、
一刻も早く下顎や舌、喉頭などの「発声器官」を休ませて、
「頑張る」発声を止め、「発声器官」に負担のない発声を「知る」必要があります。
しかし、
「きっと舌の力が弱いからだ」「お腹の力が弱いからだもっと強く息を吐いてみよう」
「もっとしっかりやれば声は出るはず」と、
「力を入れる」ほうがやった感があり、「頑張る」方向に行きがちです。
youtube等にあがっているような「歌唱系のボイスメソッド」を見よう見まねでやってみる、、。
まさにこの期間こそが、発声障害レベルを加速させることになってしまうのです。
「発声障害」は、歌唱系ボイストレーニングで行うような「音階練習」を繰り返すだけでは決して改善の方向に向かいません。
なぜなら、もうすでに発声回路に余分な運動な入り込む習慣が身体に身に付いているため、「癖の上塗り」になってしまうからです。
むしろ「発声障害」はわずかな不調を感じてからその後「頑張って発声」したことに寄る弊害が大きいのです。
「知らなかった」ことにより大きな代償を払うことになってしまう前に、
「発声根本を改善するためのボイストレーニング」を選択する勇気を持ちましょう。