発声障害の根本原因にアプローチできる 発声改善専門ボイストレーニング
2022/06/20
発声障害は、人からは理解されにくい症状です。
見た目では分からず、また、一見聞いただけでは 「声」そのものは出ているので、何が障害なのか想像さえできないのです。
当の本人でさえ、いったい何が原因で「発声のやりにくさ」が起こっているのか、全くわからずに悩んでいます。
発声障害の根本原因は 舌の力み です。
それが元で様々な 発音時の「工夫」をせざるを得ないことから始まります。
舌先などが力んでいると、根元側の舌根まで力がかかってしまうので、
舌根が引かれる(下がる)ことになります。これではそのすぐ真下にある声帯の開閉に影響を与えてしまいます。
また 舌の力みが 舌のなめらかな動きを逆に制限することになるので、舌を「動かす」ようになってしまうのです。
これも舌根真下にある声帯の開閉に影響を与えてしまいます。
また、口腔内での舌の高さが足りず、下顎を狭めるため、子音を作るポイントが「喉の奥」に下がっていくのです。
また、よく聞く「腹から声を出す」という俗的な表現を文字通り「息をお腹から吐く」ことだと勘違いする人は多く、
これが積み重なると二次的な声帯閉鎖の回路を作り上げてしまうことになるのです。
「息を吐く」と、喉頭に緊張が入り込みながら声帯は開こうとします。
しかし吐きながら「声帯を閉め」なくてはならなくなるという矛盾したことをやるために、
強く声帯を閉めようとする癖がついてしまうのです。
また声帯に拮抗した力がかかっているため「鳴り」が奪われ、声にならなかったり、かすれたり、二重声になったりします。
この「声の鳴り」が出なくなると、どうしても無意識下で力でカバーしてしまうのは生理的な身体感覚です。
発声のしにくさを自覚した時点から時が経てば経つほど、二次的な発声回路が身体に強固に身についています。
もはや、「それが普通」になっている馴染みの身体感覚から抜け出すためにはどうしたら良いのでしょうか?
それは、「新しい感覚」を知ることです。
今までの身体の癖を入り込ませないようなやり方(レイクラブのメソッド)で、
元々の生理的な発声回路を引き出すことで得られます。
始めは自分が「何がどう変わったのか」分からないかもしれませんが、とにかく正しいやり方のほうが「身体がラク」なので、身体が判断してくれます。
そして、次第にこの「正しい発声感覚」に馴染んでくると、「間違っている」ことが発声器官に起こったときに、
身体感覚で「あ、これは違う」と気づけるようになります。
これはレイクラブのメソッドを経験し習得した生徒達が皆口にします。それでよいのです!
これが判るようになった時、
声帯や舌、その他の発声器官に余分な力をかけない方向に「自分で」修正してゆくようになります。
そして、それが習慣化してゆくと、結果、「舌に力みが入ってない感覚とはこういうことか」と自ら気づくことができるようになるのです。