「発声障害」がかなり改善される人と、改善しない人の違い
2022/04/16
当、発声治療室で実際にトレーニングを開始したのち、かなり早く改善される人と、残念ながらそうでない人がいます。
体験1回と本レッスン何回かで、気を付けていればほとんど「元の」感覚で話せるようになる方もいます。
その場合、発声障害の症状発症からの期間があまり経過していないことが前提です。
「声の調子が良くないな」「声がだしにくい」「なにか話しづらい」と感じてから何年も経っておらず
発声や構音(子音をつけること)の二次的な運動回路を作り上げる前であれば、元の感覚に戻るのも早いのです。
発声障害は、
無意識的、意識的に関わらず「自分のやってきた癖」の積み重ねで起きてしまうので、
発症から長い期間が経ってしまったほど、言うなれば
自分なりの「強固な癖」が身体に付いてしまっているほど、それを戻すには時間がかかるのです。
もちろん、「発声障害」には、様々なタイプ、症状があり、またその度合いの差がありますが、
「発声障害」は、自身の舌や喉頭などの発声器官に力みをかけてきたことが引き金となって、
二次的な運動回路でやらざるを得なくなった「発声しづらさ」をカバーするために工夫された「習慣」、
身体、心理の反応パターンです。
ですから、まずは発声時の自身の習慣性を注意深く観察し、気づく、という事が出来れば、発声障害は少なくとも今の状態から脱却する道を歩み始めることになるのです。
「もう治らない」と自分で決めつけてしまえば、それはずっとそのままでしょう。
レイクラブには、耳鼻科クリニックで「発声障害は一生治らないから」と言われてもあきらめなかった方たちが来てレッスンに励み、実際に改善の喜びを共に感じあえています。
身についてしまった発声や発音の悪習慣を塗り替えるには
ご自身の 意識変革の深さ にかかっているのです。
ですから、自分は「変われるんだ」、と心底から思っていない人は残念ながら何をしても変わりません。
レッスンにまで来ているのに、レッスンでは出来ているのに、
「どうせ自分の発声は変われない」と深層心理で思っていると、実際にその通りになります。
「発声障害」は、発声器官を酷使してしまう習慣から「発想」を切り替えられるかどうかにかかっています。
自分の声は「こうしないとちゃんと出来ていないのではないか」という自身の「思い込み」から、
必要以上に「息を強く吐く」、「顎を固める」「舌が力む」「喉頭に力を入れる」「首や肩、胸に力を入れる」等々、
身体やあらゆる発声器官の力みが起きています。
「力を入れないとできない」という感覚になっているのです。
この「発想」を先ずは捨て去らなければなりません。
レイクラブでは、ひたすら脱力の方向性の中に、正しい発声感覚を感じてもらうメソッドを行います。
レッスン中、まだメソッドの途中で
「こんなにダランと力を抜いて話していたら、変じゃないですか?」とか、
「こんなに顎を緩めてたらバカみたいに見えませんか?」とか言って「拒否」反応を起こす方がいます。
そうです、自分では「変」と思えるくらいの脱力状態でなければ
発声は正しい状態に回復してゆかないのです。
しかし、どうしても自分を変えられず、馴染みのある「習慣」に従ってしまう。
自分から脱却しきれないでいては、本当の変化は起きづらいのです。
「発想」を切り替え、少しでも行動を起こしたら、実際の出来事は変わってきます。
そして
「もしかしたら自分は変われるかもしれない」という確信が生まれた時、
発声障害は改善し始めます。