新社会人、新生活に出やすい発声障害の症状、舌の力みが原因
2022/04/05
4月に入り、新年度とともに新生活がスタート!という方も多いことでしょう。
大学入学や、新社会人として上京された方は、東京の人の多さにビックリされたことでしょう。(人の多さにもすぐに慣れますが)
新しい環境になり、新しい出来事、新しい人達と出会うと必ずしなければならないのが、「挨拶」と「自己紹介」。
元々声が大きくて、声が通る方なら何も苦ではありませんが、
声が小さい、声がこもる、声が震える、声がつまることがある、、、など、少し「声に自信がない」方にとっては、
注意しなくてはなりません。
挨拶などの定型文は、「おはようございます」「お疲れ様です」「お先に失礼します。」
接客の定型文なら「いらっしゃいませ」「ありがとうございました。」など、
母音で始まることが多いのです。
この出だしの母音から「ハッキリ言わなくては」と意気込みすぎると、無意識に舌が力んでしまうことがあります。
ヒトは緊張した状態だと、身体に力が入って「大きな力」が出るものです。
「舌の力み」は、緊張していると無意識下で起こりやすくなります。しかしこの「舌の力み」は自分では感知出来ません。
舌の力みを伴う発声を繰り返さないよう、意識的に下顎を緩めるようにしましょう。
舌の力みは、下顎の力みから起きます。
人前で話しをする時に緊張して「しどろもどろになって」、ことばが出てこない、、これは誰でも起こりえることです。
出だしの言葉が思ってた音韻と違う音になってしまったり、言い間違えてしまったり。よくあることです。
しかし、
そんな誰しも起こりえることを、自分に対して「許せない」、「恥ずかしい」などと思い、
増々「ちゃんと言おう」と思うことがかえって舌の力みを助長させます。
この「舌の力み」があらゆる発声障害の原因です。
出だしの言葉が出にくい、次の言葉がなかなか出てこない、それをよく昔から「どもり」などと言いますが、
吃音も発声障害の症状のひとつです。(これはレイクラブの見解です)
この「吃音」というある意味、「便利なことば」に、この症状が言いくるめられている気がしてなりません。
吃音は脳の機能における言語野の欠陥から起こる、とか、先天性のもの、などとしてしまえばそれで終わりです。
しかし、「吃音」はもっと末端の機能性、発声器官の関連性で起こっている、ゆえに発声障害の一種 なのではないかと私は考えています。
土台となるのは息と声の関係、つまり「発声」の問題なのです。
発声障害にも見られる「第一声目の出にくさ」、「途中でことばがつまってしまう」症状は、
土台となる「声」の部分と、ことばとして舌で「発音する」部分とが、邪魔しあってしまうのです。
「ことばにしよう」とすることが先にきて舌の力みが強すぎるために、「声」を遮ってしまう感じでしょうか。
そしてこの「舌の力み」は全て「後天的な」発声の習慣性によって生まれるものです。
しかしながら、本当にこの「舌の力み」は分かりづらく、本人も自覚が出来ません。
舌を緩めよう、と思うとかえって力んでしまいます。
舌を緩めるには、徹底して下顎を緩めること、そして、口の周りの筋肉を緩めること、
さらに首の後ろを緩めることです。
また、電話対応などでも「お腹から声を出そう」と、お腹に力を入れることもやめましょう。
お腹に力をいれるだけで「呼吸の力み」を生み、喉頭に力がかかってしまいます。
人前で話す時や緊張するときほど、これらを意識することをお勧めします。
すると、思った以上に「言えた」と感じられるようになることでしょう。