発声障害改善の道程の第一歩は「頑張る発声をやめる」ことから
2022/03/22
発声障害の症状には、様々なことがあります。
少し長めに話しているだけで のどの疲労感がある、声がかすれる、声が枯れる、声が割れるようになる、
という軽いレベルでも、放置しておくと重いレベルへと進んでゆくことがあります。
どうしても「頑張れば声は出る」と思いがちだからです。
特に声を酷使するよう職業の方は、どうしてもその場をやり過ごすために、
あらゆる発声器官を頑張らせてしまう方向に行きがちなのです。
そして、この「頑張る発声の癖」で声を酷使し続けることで 発声器官の疲れ を蓄積させてゆきます。
発声器官の疲れがたまってくると、「ストレス球」と言われるような喉頭の異物感、タンが常時絡んでいるような感覚が起こったりします。それが気になり、頻繁に咳払いをして声帯をぶつけることを繰り返している、、、
これが悪循環の始まりです。
また、声が出にくいと、さらに「もっと強く発声しよう」「お腹から声を出そう」などと思いがちです。
「息をたくさん吐く」「お腹に力を入れる」等はよく聞くフレーズですが、実際に身体がこれをしてしまうと
それだけで喉頭や胸に力みが入りやすくなり、または舌根の力みが起こります。
そして結果的に声帯が強く閉まるようになる、、、これも悪循環の始まりです。
始めのうちは声帯が強く閉まるため、なにか声の鳴りが良くなり、声量も出るように感じます。
「ちゃんとやろう」と思う時ほど 喉頭、胸やお腹、舌などにさらに力を入れ、発声時の呼吸さえも
全身で頑張るように癖付いてしまうのです。
出だしの第一声目が出にくい、完全に声が喉で止まる感じがする、声が一瞬途切れるようになる、特定の言葉が言いにくい、、、。これらは発声障害のレベルが進んできていることを意味します。
身体が、生理的に言いにくさを回避するための「工夫」を行うようになることで、
発声障害のレベルがさらに進むことになるのです。
発声障害改善に向けてやるべきことは、まず「頑張る発声」を止めることです。
その方向に進めば進むほど、本来の自分の声に戻ってゆくことが出来ます。
「正しい発声」は苦しくありません。
声のことが全く問題でなかったころは、全く身体に負担がかからなかったはずです。
「正しい発声」はすでに自分の身体の中にあり、身体が知っているのです。
「頑張る発声」が癖づいて、その感覚を忘れてしまっただけです。
発声治療室レイクラブは、「正しい発声」を引き出すためのお手伝いをします。