声優・ナレーターを目指すなら自分にとって一番「声の響き」がある高さを知ろう
2020/10/08
声優・ナレーターは、
その人の持っている「声そのもの」の醸し出す雰囲気 が「売り」ですが、
伝える内容によって、様々な雰囲気に声を変化させられることが求められます。
たとえば、
テレビやラジオのCM、Web上で用いられる広告や、商品やサービスの宣伝PRでも、ある程度「型」があると
思います。
その「型」は定番といいますか、「それっぽい」という声が結びついているのです。
子供向けならば「高いかわいい」声、若者向けならば「大げさでないさわやかな」声、
シニア向けならば「優しく穏やかな」感じ、という具合です。
このような定番である「声」に重ねる「雰囲気」は、「声の上げ下げの仕方」に「型」があるのです。
コンサートやイベントの「弾けるような明るい」感じならば、かなりダイナミックな高さの変化をつける、
高級車の宣伝ならば「落ち着いた上品な」感じなので、大げさな高さの変化は無いほうが良いですし、
はたまた
保険宣伝の良くないことが起こっている場面の「深刻なシリアスな」雰囲気ならば、重厚感ある語りかける感じ、
などといった、「声の上げ下げの幅」が「雰囲気」を出しているのです。
「声の上げ下げできる幅」が広ければ広いほど「自由にできる」という事になりますが、
求める「雰囲気」に、「自分の声を合わせよう」としてしまうのは危険です。
ベースとなる「自分の声帯に合った高さ」を基準に「上げ下げ」をしないと、
どうしても「声を力押しで出してしまう」ことにつながってしまいます。
「声を押す」とは「喉頭に力を加える」ことです。
「喉頭に力が加わった」発声は、遅かれ早かれ「声に異常」を来たすことになります。
「声の不調」を来たしてしまう原因の多くは、「自分の声帯に合っていない声の高さ」を長時間出していたことにあります。
まずは一番良い「声の響き」を知ると、自分に合った声の「高さ」が分かります。
一番良いのは「上顎」の位置に声が響いていることです。
上顎のイメージしやすい場所は、
顔面上の、鼻のすぐ下の固いところ、前歯の歯茎の上あたりです。
口の中の、上天井の固い部分である「硬口蓋」は上顎の骨です。そして固い部分の先、のどの奥側には「軟口蓋」が続いています。
顔のこの辺りの位置をしっかりイメージしてまず声を出して、少し高さを上げ下げしてみると分かります。
「上顎」の位置に声が響いている人は、間違いなく「声が良く通り」ます。結果「ことばが明瞭」になります。
よくあるのが、低い声を求める男性は、胸に声の響きを落とし過ぎてしまうことです。
これをすると、必ず「ことばが不明瞭」になりやすいのです。
声優・ナレーターを目指すなら、
まずは自分の「声の響き」が、上顎に来ている「声の高さ」を基準にすることが早道です。
そしてそれがゆくゆくは自分の「声を守る」ことにもなります。