電話で声がつまる、特定の場面で第一声が出ない、等の症状は「機能性発声障害」
2020/07/27
発声治療室レイクラブは、ビジネスパーソンの「機能性発声障害」の改善に取り組んでいるボイストレーニングスクールです。
最初は、声帯そのものに異常があるのだろうと思うのが当然で、耳鼻咽喉科などを受診し声帯を視診したことと思います。
しかし、多くの場合声帯自体は「異常なし」といわれます。
(声帯ポリープや声帯結節が重複している場合もあります)
声帯はキレイなのになぜか話しづらさがあるという症状、医学的な障害名は「機能性発声障害」と呼びます。
この機能性発声障害のひとつの特徴として、
症状が出る時と出ない時がある、という浮動性です。
受診時の時も普通に話せたり、普段の何気ない会話時には「話しづらい症状」は出ないので、
なおさら「心理的なもの」として受け止められやすいのです。
症状は職場や、特定の場面に突如現れる場合が多く、
ミーティングなどの「いざ」と言う発言時や、電話応対、テレワークでの報告の時などです。
男女問わず、発声障害の悩みの事例を挙げてみますと、
「電話になると声がつまったり、声が出ないと感じることがある」
「電話の時に、絞り出すような声質に変わってしまう」
「発言しなくてはいけない時に限って第一声目が出にくい」
「勝手に声が震えたり、かすれ声、ガラガラ声に変化してしまう」
「長く話していると喉の周りが締め付けられるように感じ、息切れする時がある」
などの、様々な訴えがあります。
そして二次的な過程に出てくるのが、
「声の出ない症状がいつ出てしまうのか」という予期不安です。
より「きちんと話さなくては」というプレッシャーが高まり、
電話が鳴るだけで身体が身構えるように堅くなってしまうことです。
まず対処できる最初の取り組みは「身体のケア」です。
奥歯のかみしめによる下顎関節や咬筋の凝り、
長時間のデスクワークによる慢性的な首裏や肩、背中の筋肉の凝りをほぐすことです。無意識の口内の舌先の力みなども 身体の癖 は大いに発声障害の発症に関連しています。
また、
この悪循環から抜け出すための一番の近道として、最も大事な事は
まずは発声を理解すること、
そして正しく「ボイストレーニング」を行うことです。
発声治療室レイクラブでは、
豊富な臨床経験により培ってきた発声障害改善メソッドを、
一度もボイストレーニングを経験したことが無い方にも分かりやすく伝える努力をしてきました。
これによって
機能性発声障害とは発作的な「病気」でも、「心理的なもの」ではなく、
あくまでも自分自身が習慣づけてきた 発声の悪習慣 によるものだということが理解できるのです。
「良かれ」と思ってしてきた発声に対する「間違った工夫」を、
身体的が覚えてしまった結果なのだと気付けるようになった矢先、
機能性発声障害は日々改善してゆきます。
さらにレイクラブではこの症状の原因が「呼吸との連動性」と、
声帯以外の「関連する発声器官の力み」であることを突き止めようとしています。
機能性発声障害は、「息の吸い方」、「呼気の保持の仕方」を始めとする「呼吸」の状態が、突如現れる症状の引き金になっていると考えられるのです。
多くの人に「息の吐きすぎ(または過度の止めすぎ)」が見られます。
発声の瞬間に「喉頭で息を吐く」ということは、実は声帯にとって負荷がかかります。
なぜなら、息を吐く時「声帯は開こう」とするのに、声を出す瞬間「声帯を閉じよう」とするのですから、同時に反対のふたつのことをやっているわけです。
これでは声帯は混乱してしまいます。
また、昔ながらの言い伝えのような文言、
「お腹から声を出す」ということを、
「声を出す時、たくさん息を吐く」という風に勘違いして、
実際に頑張ってやってきているのです。
これらの間違った工夫が、軟口蓋(俗にいう「のどちんこ」)の力みを誘発し、咽頭から喉頭へとつながる大きな筋の緊張が、声帯開閉の為の繊細な筋にまで及び、声帯運動が混乱してしまうのです。
また、舌に力みがあり、発声に対し良くない形になっていても、自分ではなかなかそのことを自覚出来ない、ということもあります。
舌が力んだ状態が常習化して、喉頭の上に乗っかるように位置する舌根(舌の根元)が堅くなっていると、
構音時に(子音付加すること)近接する声帯の直上に力をかける形になってしまうのです。
このことをレイクラブの「舌の形状トレーニング」をすれば理解することが出来ます。
最初は、「全く原因が分からない」と、ただただ不安に思っていることが、
実は考えられる原因がいくつもあって、起こるべくして起こっていることが分かると、
身体は新習慣を実践してゆくことで必ず順応できるのです。
発声治療室レイクラブでは、
豊富な臨床経験により生まれた独自の発声障害改善メソッドを
一度もボイストレーニングを経験したことが無い方でも
いかに簡単にスピーディーに伝えられるかをつねに目指しています。