機能性発声障害は発声専門ボイストレーニングで改善できる
2020/07/10
発声障害には、実に様々な症状とレベルがあります。
一見「話声の特徴」とその重症度は、必ずしも一致しない点があるのです。
例えば、ある人は
話し声が明らかにガラガラ声で、息苦しそうな声質に変化します。
また、
声が途切れ途切れになったり、文中の声のつまりが頻繁です。
一見、症状は重そうに見えます。
ある人は
声質もきれいで、普通と変わりなく話しているようでも、突然息が止まるように声がピタッと止まってしまう。
この時、外見からは分かりませんが
本人の内側の身体的感覚には強烈な「話しにくさ」を感じている場合もあります。
どちらが発声障害の重症度が高いかというと、それは、一概に図れません。
声帯そのものに器質的な異常が無いのに、話しにくい症状がある場合、それは全て機能性発声障害 です。
痙攣性発声障害 も 過緊張性発声障害 も 機能性発声障害であり、それを分類分けしたところで、
改善にとってあまり意味はありません。
機能性発声障害を発症する経緯についても人それぞれです。
風邪を引いて長引く咳や 声枯れ を起こしている時に、仕事だからと頑張って話していただけで、
発声障害に陥ることも多いのです。わずか1週間くらいの話です。
短期間で声帯は通常の閉鎖度合いを超えて閉まり、振動状態が変化してしまったのです。
アルバイト先で、「いらっしゃいませ」や「ありがとうございました」などの定型文を大きな声で言う習慣で
わずか3か月で発声障害を発症した学生もいます。
逆に、何年も声を使った職業で活躍し、「自分は声が強い」と思っていても、声の酷使が重なり
何かのきっかけで発声障害に陥ってしまうこともあるのです。
発声障害のもとの根本原因は、声帯に必要以上に力がかかり、強い閉鎖が常習化することです。
しかも、声帯が強く絞まるだけなら声帯ポリープや声帯結節ができるだけで済みますが、
厄介なのはこの強い声帯閉鎖が、他の発声器官の働きと二次的に結びついてしまうことにあるのです。
舌や下顎の力みや軟口蓋(のどちんこ)との力みも加わり、構音との連動性を工夫してしまうことが
発声障害なのです。
声の出しづらさを力で押し切り、工夫して話してきた時間が長いほど、発声の癖を断ち切ることは容易ではありません。
機能性発声障害の重症度は生理的な発声に対し、どのような操作を加えてきたかによります。
操作が複数に渡り、強固であるほど重症度は重くなるということです。
イラストは、喉頭内部を立て切りにして背面から見たものです。
声帯とは「砂時計のくびれ」のような部分を指します。
呼気を粘膜波動によって音響に変換する驚異のリードは、生ものであり常に変化するものなのです。
常に機械のような動きをするものではありません。
健康状態や加齢によっても影響を受けますし、生活習慣によっては間違った方向に学習してしまうことも
あるのです。
ですから、動画やネット上の情報で、自己判断でボイストレーニングをしたりすることは気を付けましょう。
症状に合っていないボイストレーニングはさらなる悪習慣を上塗りするだけです。
専門のボイストレーナーに、相談することをお勧めします。
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