声優・ナレーター・アナウンサー・俳優・歌手の為のボイストレーニングで大事なポイント
2020/04/20
声を使って演技をしたり、原稿を読んだり、情報を伝えたり、歌ったりすることを「仕事」にすることは
狭き門です。
ゆえに、声優やナレーター、アナウンサー、俳優、歌手などは特に若い世代の人たちにとって
「憧れの職業」です。
同時に、
人前で「声を出す」ことを仕事にするということは、「声を酷使する」職業でもあります。
「声を酷使する」職業である以上、
ある意味人一倍「発声」について深い知識と理解が無いと、「自分の声」に悩まされるリスクは高いのです。
レイクラブを訪れるキャリアの長い「憧れの職業」の方々も、
元々声がいい方が多く、「今まで発声について何にも苦労したことが無かった」と言います。
「声だけは思い通りになる」とばかりに頑張ってきてしまったのです。
声優やナレーター、アナウンサー、俳優、歌手を目指す方も含め、
「自分の大事な声」をキープするために知っていてほしいことは、「声も壊れることがある」ということです。
例えば、
プロ野球のピッチャー選手でも、年数や試合数が重なると肩や肘などを壊すことがあるのはなぜでしょう?
少しずつフォームが崩れてしまうのと同時に、刻一刻と年齢や生活習慣によって身体も変化していくからです。
動きに無駄がなく、最も効率が良い方法でないと、身体のどこかに少しづつ疲労が蓄積し、負荷がかかってゆくのです。
だからそうならないよう、常に
身体的メンテナンスや基礎的な体幹トレーニングや、崩れたフォームを見直したりすることが必要なのです。
それと同じように「声を酷使する職業」ならば、
基礎となる「発声」を常に見直すことがとても重要なのです。
無理をしたらすぐにニュートラルな発声に戻し、整えることです。
これをしないと、声帯をはじめとする発声器官に少しずつ疲労を蓄積していくことになるのです。
「息を声に変換させる」という最も根本的な部分に、息のロスが少しでもあると
声帯に負荷をかけていってしまいます。
また、
下顎に力みがあると
舌奥が口腔内のおいてしかるべき位置・形状に変化しづらくなるため
母音の変化を生みだす部分に負荷が生じます。
さらに
舌先に力みがあると
舌の前面が自由に上がったり下がったりすることで子音を生成することがしづらくなるため
さらに大きな力で動かすようになり、喉頭や軟口蓋に負荷を生じます。
声優やナレーター、アナウンサー、俳優、歌手を目指す方や、
すでにキャリアのある方も、覚えておくべきは
自分の 最も基準となる声の高さと 最適な声の共鳴 を知っておくことが重要です。
自分に合っていない声の高さや響きで話したり、歌ったりしてゆくと必ず声の不調が起こります。
元々声が高めのトーンのナレーターが、落ち着いた雰囲気にしたいがために低くしようとしたり、
その逆もあります。
さらに歌手の方の場合は、その自分の最適な声の響きをなるべく変えずに、
音程に伴う「声区のチェンジ」をスムーズに行えるよう、音域全体が統一感のあるものにしなくてはなりません。
声優さんの演技で声に色をつけるには、呼吸の土台を作る ことが声を守るために最も重要です。
息を吐きすぎず、止めすぎない、自由に呼気のコントロールができることが本当の演技につながるのです。
最近の若い方はとかく息を吐きすぎて、ウィスパーっぽくする傾向があるのは、声帯にとって危ないことです。
元々の自分の声に意図的な色をつけたりしない、ということが大事です。
自分のありのままの声を最大限に引き出せるようになることが、本物の声優やナレーター、アナウンサー、俳優、歌手です。
とかく「自分の声が好きではない」と思いがちですが、
ありのままの自分の声を受け入れ、本来の声を変えようとしないこと、これは大切なポイントです。