テレワークで声の通り、言葉がはっきり聞こえるかどうかが分かれる「発声の大切さ」
2020/04/19
最近テレビ番組でも、「新型コロナウイルス感染症対策として」という理由でその場に同席せず
Web会議上で複数人が画面上に並んでトークする、という光景を良く見かけるようになりました。
番組中のテレビ中継ともなると、良い集音マイク等を使用しゲインを上げて声量が大きく聞こえていますが、
実際のWeb会議サイトではそうはいきません。
パソコン装備のマイクやスピーカにそれほど差はないはずなのに
ことばがハッキリ聞こえる人と、そうでない人の差が大きいのが事実です。
自分の声が、聴いている相手方のパソコンから出てきた時、どう聞こえているのかは、先方と同じ場に居ないのですから自分では確かめられません。
相手方から「えっ?もう一回言って」と頻繁に聴き直されることが多いなあ、と感じる方は要注意です。
聞いている相手も、初めは聴き取りづらかった箇所があると聴きなおしたりしますが、
次第に「あんまり聞き返すのも悪い」と思うので、話し半分になってしまいます。
これは何の違いかというと
声の通る人、声がこもっている人にハッキリ分かれるのです。
これは、
発声の違いでもあります。
発声によって声の共鳴の仕方が変わるからです。
声が共鳴する場所と言いますか、声がどこの空間でよく響くかということです。
舌が力んでいないで口腔内でふわっと持ち上がり、軟口蓋(俗にいう「のどちんこ」)の上がりが良いと
声がしっかりと口腔内に入って来るので 顔面に良く響きます。
すると声が外にちゃんと響いているのでマイクは良く音を拾います。
しかし、舌の力みや軟口蓋の力みがあって、のどの奥が狭くなっていると、
声が口腔内に入ってきにくいのでのどの奥で響いてしまっているのです。
舌や軟口蓋に蓋をされてしまうような空間で響いている状態なので音が「こもる」のです。
声が喉の奥でこもっていると、パソコンのマイクではどうしても声を拾いにくくなります。
すると当然
ことばが不明瞭になってしまいます。
去年から私は オンラインレッスン を始めていますが、
実は生徒さんの声を聴覚的に判断するのにこれを目安にしています。
パソコン越しに聞こえてくる声を聞けば、瞬時に舌の位置や軟口蓋やのどのリラックス度合いが判ります。
レッスンを進めるうち、声の通りが良くなるとマイクにきちんと声が乗ってよく聴こえるようになります。
今後、web会議やテレビ電話が増えてくる時代、一度自分の発声をチェックしてみてはいかがでしょうか?