首裏の筋肉のコリが発声障害の引き金になることも 「首裏落とし」作戦

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首裏の筋肉のコリが発声障害の引き金になることも 「首裏落とし」作戦

2020/04/13

テレワークなどをしていると、日中パソコンに向かっていることが多くなってきます。

それに加えて、

スマホを見る時間も長くなると、どうしても長時間、背中が「前傾姿勢」気味になっていることが分かります。

そして、この前傾姿勢傾向から

首が前方にせり出す状態になってくると、首裏の上部が力むようになってくるのです。

また、

長時間の目の酷使ともあい重なって、

首裏と頭蓋骨の境目の筋肉がひどく凝っていると感じることはありませんか?

 

ここは首裏と頭蓋骨の境目は、東洋医学的には目のツボになっていますし、

解剖学的には

僧帽筋胸鎖乳突筋 という首裏から首横にかけての筋肉です。

そしてこのふたつの筋肉の運動をつかさどるのが12対ある脳神経のひとつである 副神経 です。

この脳幹にある副神経は、舌下神経 と隣り合わせに位置しています。

舌下神経とは、舌の運動や舌骨下筋(首前面の喉頭まわり)の運動をつかさどる脳神経です。

 

これは、私の見解ですが、臨床的に感じることがあります。

この副神経と舌下神経のふたつは、共同運動化しやすいのです。

この「共同運動化」とは、個別に分離して運動しにくい、ということで、

ちょうど手の小指を曲げると薬指も少し曲がってしまうような現象です。

ですから、

副神経がリラックスを忘れ更新状態になってくると、感度が鈍化するためか舌下神経も過剰に運動しやすくなります。

 

経験則ではありますが、

発声障害に陥った方の多くに、

話そうとするときほど首が前方にせり出し、首裏が力む様子が見受けられ、

同時に口腔内で「舌」も無意識に力んでいるのです。

 

実際に発声障害の症状が出てから、重度の「首裏のコリ」を感じることが増えた、という訴えが多いのも納得です。

また

首裏のコリがひどいと次第に首の前面にも影響を与えます。よって喉頭周りにも違和感が出てきます。

筋肉は互いに連携しあって動き、筋膜でつながっているからです。

もう一つ、

歯を食いしばると首裏に力が入るのを感じませんか?

無意識に奥歯をかみ合わせる癖があるような下顎に力みがあることも、首裏が力む要因です。

 

このように、首から上のあらゆる運動をつかさどる12対の脳神経は非常に隣接しているので、影響を与え合うのです。

 

ここで発声障害の症状が緊張する場面で出やすい方に提案するのが、

「首裏落とし作戦」です。

一瞬、首裏に意識を向け、力みを「落とす」イコール「抜く」イメージです。

瞬時に首裏は緩められます。「本当に緩める」のです。

 

すると、下顎や喉頭まわり、口の中の舌まで一気に緩みます。温かい息がわずかに口の中に入ってくるのを感じられます。

その首裏をリラックスした状態でゆっくり話すのです。

これを話す時のみならず、気づいたときに何度でも繰り返しましょう。

そうすれば、首裏のコリが緩和されてくるだけでなく、

喉頭に力がかかりにくくなり、声も出やすくなるのを感じるでしょう。