歌の音程が取れなくなる発声障害がたった3回のレッスンで劇的変化するボイストレーニング
2020/04/06
歌うことがとにかく大好きなT君(東京都在住・30代男性)は、
自分一人でカラオケに行っても何時間も歌っていられるほどで、得意な高音域の声を伸ばしたくて
歌唱系のボイストレーニングスクールに通い、ある先生の指導を何年も受けて来ました。
そんなT君が自分の歌声に異変を感じたのは、1年半前のこと。
異変を感じながらも
ウェブサイトに載っているボイストレーニング動画を見つけてマネてやってみたり、
今までついていた先生のトレーニング方法で自分なりに歌ったりを繰り返し、
紆余曲折しながらも全く良くならず、もはや
自力で改善するのはもう無理だと感じたそうです。
そんなT君がレイクラブに初めて体験レッスンに来たときには、
音程がほとんど取れない状態になっていました。
今までと同じようにやっているはずなのに音程が合わないのです。
ある一つの音の高さを何秒か伸ばすこともできません。
また他の症状としては
声に「息が抜ける」状態がひどく、短いフレーズでもすぐに息が足りません。
また、
声が頻繁にひっくり返り、声が震えたように小刻みに揺れたりもします。
このように、今までラクに歌えていたのに歌えなくなってしまうという 歌の発声障害 は、
基礎的な発声の土台を作らずに、音程を届かせることばかりをメインにやってきた代償として起こりうることです。
ある音から次の音の高さへ移動するそのやり方が、全く間違っているのです。
音と音との間をレガート(なめらかに)につなぐ、ということをやってこないで、
一つ一つの音を点で取ってしまうやり方です。
これでは、音程を届かせるのに声帯を閉めることに頼って、しかも一音一音息も吐きすぎの傾向になってしまいます。
そこで、T君にまずは次のようにレッスンしました。
最初全く話し声と同じ感覚で声を出してもらい、細かく
高さを少しずつ「ずり上げて」いくと、
ピアノで提示した高さにまで到達する、というものです。
これをすると、まずは最初の声の出だしから音程を取ろうと声帯が絞まりすぎないので、
呼気は止まりすぎず吐きすぎない状態を保ちながら、声がある高さまでつながって上がってゆけます。
ずり上げるコツがわかってくると、すでに中音域の二点「ド」の高さまでは出ていました。
次に、
話し声からずり上がってまである高さに到達したら、さらにそこからまた同じように音の高さを細かくずり上げる、
すなわち二段階で声をずり上げるということを繰り返してゆきました。
するとどうでしょう。
T君は男性ボーカルの中音域と高音域の声区チェンジの高さである「ファ」までラクに到達するようになりました。
T君自身が「なんでこんなにラクに声が出るのかな?」とビックリしたくらいです。
声帯閉鎖の度合いを緩め、声と呼気とのタイミングを合わせていくだけで、
声帯の「高さ」調節機能に余裕が出来たのです。
こんな具合に「音程を点で取らせない」ということをやって、3回目のレッスンが終わるころには、
ここ1年間は辛くて出なかった高音域の上の「ソ」の高さまでラクに出るように変化していました。
また、音程を「声をつなぎながら動かせる」ようにもなってきました。
T君は
「久しぶりに声がすごく出ている感覚です!たった3回でこんなに高音も出るようになったし、音程がラクになってきました!」と、
本当に嬉しそうです。
「今まで自分は「歌おう」として何か違うことをやってきてたのが良く分かりました」とのこと。
レッスン後、
「ありがとうございます!」と帰り際に挨拶を言った時、
T君は
「うわー、話し声もラクに出ます!」と言って驚いて帰ってゆきました。