発声障害がボイストレーニングでほぼ完治後キープできる理由
2020/03/17
埼玉県在住のビジネスウーマンであるTさんは丸4年間、
発声治療室レイクラブに月2回ほどのペースでコンスタントに通っています。
通い始めて5年目に入った現在のTさんの声は、高めのトーンが顔面によく響いて、とても澄んでいます。ことばもなめらかにつながっており、声量もあります。
今日のレッスンでも、「長文を読んでみます!」と自ら積極的に提案してきて、
長めのエッセイ文を初見でもスラスラ音読しました。
最近は、ことばの明瞭度がさらに改善し、以前より声量も出てきました。
私もTさんの音読をじっと聴きながら「本当に良くなったなあ」としみじみ思いました。
なぜなら4年前レイクラブに来た当初のTさんの声の状態を知っているからです。
Tさんは 痙攣性発声障害 を発症しており、声量は蚊の鳴くように小さく
喉の奥にこもっていました。
短い一文でさえもことばの途中で起こる 声のつまりが頻繁で、その瞬間声がぐらつき、声質がひずんでしまいました。
レッスン開始後、Tさんはレイクラブの発声改善のメソッドを理解し、
私がやってみせる手順を、恥ずかしがらずに思い切りよくやってくれるので、
推し進めることが出来ました。
そして発声時の正しい状態を、どんどん身体で身に着けてゆきました。
それでも思い返せば初めの1年間は、良くなったかと思えばまた症状が戻ってきてしまったり、
一進一退を繰り返していましたが、
結果時が経ってみると確実に発声改善の段階をのぼってきたのです。
これは、Tさんが初めから「手術やボツリヌス注射等に絶対頼りたくない」、と決意していたこともあり、寄り道や回り道することなく発声改善に集中できたことが結果として良かったのだと思います。
2年前自身の結婚式で「両親へのお手紙」をすることになった時には
自ら挑戦することを決め、その目標に向かって一緒に乗り越えました。
その頃はまだ今ほどの改善度合いではなかったので、音読しているとすぐに
息が無くなってしまったり、後半段々と声がつまってきてしまう症状も残存していました。
それでも、本番は本人が満足できる出来栄えで無事やり切りました。
また、その後
Tさんの親友の結婚式で頼まれた「友人代表のスピーチ」では、
さらに改善具合も進み、さらにレッスン内でもみっちりトレーニングしたので
バッチリ音読でき、式で一番盛り上がったそうです。
そんな彼女自身の努力の甲斐あって私はTさんに
「これだけ良くなったからもうレイクラブも卒業だね」と言ったこともありました。
しかしTさんは声の調子をキープしたい、とのことで、
今でも自主的にレッスンを続けています。
コンスタントにレッスンを続けているTさんに私も教えられることが多いなあと
思っています。