のどの異物感・違和感・ストレス玉と発声障害の関連性

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のどの異物感・違和感・ストレス玉と発声障害の関連性

2020/01/30

喉に異物感を感じたり、喉に何かがひっかかっているような感覚がある(ストレス玉)場合、

それは声帯の感覚ではありません。

また、

喉に違和感があるので何回も咳払いをしたくなる、という感覚が引き起こされるのは、

これも声帯が原因ではありません。

なぜなら

声帯そのものはほとんど感覚を感じないからです。

声帯そのものに結節やポリープが出来たり、血豆のような傷があって出血していても声帯は痛みを感じない位なのです。

 

喉が痛いと感じたり、引っ掛かりを感じるという場合は、喉頭や咽頭の感覚です。

 

咽頭(いんとう)は口を開けた時に見える範囲を指し、軟口蓋(俗にいうのどちんこ)やのどの奥の壁や、鼻への通り道へ上がってゆくあたりです。

唾を飲み込む時に痛いと感じるのは、主に咽頭の炎症です。

 

喉頭(こうとう)とは、口を開けて見える範囲ではなく、もっと奥のほうです。

舌の根元のほうが喉の奥に入っていって見えなくなるところから下、首の前面にあるのど仏のあたりまでです。

普通、ここに食べ物や飲み物などが入り込むと反射的にむせて、咳をしてそれを取り除こうとします。

それが咳反射で弾き飛ばされたら本来何かが残っているような異物感は無いはずなのです。

その異物感が取れないのは、喉頭周りの折り重なるように付いている筋肉から危険信号が出されているのです。

まずは

舌の根元(舌根)や喉頭を支える周りの筋肉が疲労のために凝っているのです。

よって、血流が悪くなっています。

喉頭周りの血流が悪くなる原因に全身の疲れ、首コリ、肩凝り、背中のコリも関係しています。

 

この舌根から喉頭の疲労を取り除くには、

鍼灸やマッサージなどのケアはもちろん有効ですが、一番有効なのは 口呼吸 をすることです。

よく、俗的には

口呼吸は悪いと言われますが、それは気管や咽頭喉頭の粘膜が乾燥するためです。

 

しかし、喉頭の力を抜くには、まずは下顎をダランと緩めて唇がわずかに開いている状態にして、

そして舌も口の中で脱力させ、ラクに口呼吸をすることが良いのです。

舌が口の中で脱力とは、特に舌先を緩めることを重視してください。そして、下の歯列の高さより沈めないようにふわりとしておくことです。すると、それほど口の中も乾燥しません。

 

さらには呼吸もリラックスすることです。

呼吸のリラックスとは息をたくさん吸おうと、また強く吐き出そうとしないことを指します。

呼吸をリラックスさせるコツはのど元から小さく息が出たあとの「間」を長く感じることです。

すると、寝息に近いような自然に息が入る、という状態になります。

 

乾燥しないようマスクなどを着用し、思いっきり口元をだらしなく脱力して

下顎と喉頭を緩めながら口呼吸をしてください。

これが喉頭の異常興奮を鎮めるのです。

そして喉頭周りの緊張した感覚が取れます。

 

唾はゴックンと意識的に強く飲み込まない、咳払いは極力我慢するようにすることです。

 

喉頭の違和感が生じていることはまだ感覚がある証拠、良い事なのです。

その初期の感覚のサインを我慢し放っておくと次第に感覚がマヒし鈍化してゆきます。

やがて、喉頭の疲労の蓄積は、声帯の開閉に影響を及ぼし、

発声障害の発症にまで至ってしまうこともあるのです。