音程が取れなくなったり、声が震えたりする歌の発声障害を改善するボイストレーニング

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音程が取れなくなったり、声が震えたりする歌の発声障害を改善するボイストレーニング

2020/01/26

歌うことが好きなことは良い事です。

ほどよいストレス発散にもなるし、コミュニケーションの手段としてのカラオケも大切な事です。

しかし、歌うことが好きすぎて、

一人でカラオケに行って何時間も続けて歌ったりすることがよくある、という人もいます。

 

若い人によくある事なのですが、

女性なのに男性の曲を声を下げて真似て歌ったり

男性が女性のキーの歌をオクターブ上げて張り上げて歌ったりすることは

声帯にとって大きな負担となります。

 

また、カラオケだけでなく、アルバイトやスポーツ観戦時の応援など

声の使いすぎで 声枯れを頻繁に起こしたり、

声が枯れているのに無理に大きな声を出したりすると、 声枯れが治らなくなることもあります。

実はこれは自分の声にとってとても危険なことなのです。

 

どんなに声が疲れても頑張って出せば出るもの、というのは大間違いです。

声は壊れてしまうこともあるのです。

私たちは

声は無限にでも頑張れば出る、と思っていることがありますが、

発声の基礎がきちんと出来ていない人が、声をあまりにも酷使しすぎると 発声障害 に陥ってしまうこともあるのです。

言うなれば、自己流に発声を頑張りすぎて

生理的な発声機能から 二次的な発声回路 を作り上げてしまうということがあるのです。

 

特に多くみられるのが、大きな声を出す時は

「たくさん息を吐く」と何かの情報で得たことを実践してしまうことです。

これにより

声帯そのものの開閉の動きに、変な癖がついてしまうのです。

 

または声帯のみならず、呼気と声 のタイミングに

軟口蓋の力みを加えるようになったりと、発声器官が特異な動きをするようになることがあります。

 

以前は難なく歌えていた歌の 音程が取れない音程がブレる

声が震えたように細かく揺れてしまう、という症状がまずは表れるようになります。

 

より悪化すると、普段の会話中も

出だしの声がつまったり声が途切れたり、声が抜けたりする、ということが起こるようになります。

 

声の不調を感じ、耳鼻咽喉科などで声帯を検査して

声帯そのものにできる 声帯ポリープ や、声帯結節 がない、と言われたら

それは 発声障害の発症 ということになります。

 

発声障害を発症した際の声のひずみの症状は、程度の差こそあれ共通しています。

これはヒトの「発声機能のひずみ方」の機序として、同じ経路を辿ってゆくことを表しています。

痙攣性発声障害 や過緊張性発声障害、機能性発声障害 などと様々な診断名がつくかもしれませんが、

全て、

声帯の開閉に変な癖がついて、声帯が生理的レベルより強く閉まっていることには変わりありません。

 

声帯そのものは綺麗なのに、どうして以前と同じことが出来なくなるのか?とても不思議に思えますが、

声帯の機能性はとてもデリケートなものなので、ほんのわずかな狂いが大きなひずみとなって結果として表れるのです。

声帯の閉鎖の仕方の狂いにより声帯はわずかな息漏れを起こし、音程が思ったように出せなくなると、

どうしてもより息を強く吐いて(または息を止めて)声帯を強く締めて音程を届かせようとしてしまいます。

 

わずかな息漏れをカバーするために強く閉まった声帯に対して、ことばにするためには

そこに合わせるように呼気や構音(子音のつけ方)も変化せざるを得なくなるのです。

生理的に「もっと、もっと」と頑張って声を出すことをしていくのです。

これを続けていると、音程が取れない状態にまで陥ってしまいます。

 

皮肉なことに

歌うことでの 発声障害 は、以前は良く声が出ていた、という人に多く発症します。

元々、苦労せずに声が良く鳴り、歌の音域が広かった、という人ほど陥りやすいのです。

 

しかし、発声は 声帯がある限りいつからでも変えられます。いったん今までしてきた自分の発声の仕方を手放し、

声帯の生理的な機能性を戻しながら、新たに基礎から作り変えることは可能です。

 

レイクラブは多くの「歌の発声障害」を改善に導いてきた臨床例があります。どんなに重症化していても改善の余地はあります。

あきらめてしまわなければ、「歌うことの喜び」 はまた取り戻せるのです。

それは以前よりも、もっと味わい深くなってくることでしょう。