吃音・どもり・極小声量は機能性発声障害の症状、発声ボイストレーニングで改善
2020/01/17
吃音症、いわゆる 「どもり」 という現象は、私は 一種の機能性発声障害 だという見解を持っています。
声帯そのものや脳神経系統に器質的な異常はないのに発声しにくい、という機能性の問題だからです。
昔からよく、大脳の言語野の関連や、幼少の時期の心理説が原因のように言われますが、
それは後付けの話であって、話しをより難しくしているだけのことです。
実は 痙攣性発声障害 や過緊張性発声障害 と同じく、発声器官の力みが元々の原因です。
吃音様の発声の状態は、痙攣性発声障害 や過緊張性発声障害 のように 生理的な声帯閉鎖の状態に癖はありません。
痙攣性発声障害 や過緊張性発声障害 と違うのは、肉声いわゆる母音の響き自体は綺麗で、声質の変化がありません。
また、単発音の子音の発音も綺麗です。
しかし、より発語における上位レベルである
その単音節がつながって連動し「ことば」としてつながってゆく際に、
途中でやりにくさが生じる ということです。
なぜでしょうか?
話している途中ブロックが入り込む大きな原因は 軟口蓋が力んでくる ことが挙げられます。
軟口蓋が力むトリガーは 主に舌の力みです。
また、喉頭そのものを下に下げる方向の 本人の声帯に合っていない声の高さ も
連動性を阻害する要因となります。吃音様の方は、自分の生理的な声の高さよりも 声を低くしている傾向があります。
これが、発声時の呼吸と軟口蓋との連携がちぐはぐになってしまうことにもつながるのです。
呼吸との連携性が得られないことは、声量が出せない 事にも大きく関連しています。
周囲の方に 本当に声の小さい人はいませんか?極小の声量でほとんど聞こえない位の声で話している人が。
その人は声を大きく出そうにも声がつまって出せないのかもしれません。
これらの傾向は、痙攣性発声障害や過緊張性発声障害 等と共通している点でもあります。
発声治療室レイクラブには、多くのこれまでの臨床によって培った、
重度の痙攣性発声障害 や過緊張性発声障害の改善にも有効なメソッドがあります。
吃音症に似た症状をお持ちの方は 声帯そのものの閉鎖の状態に癖は無いので、その分スタートがしやすいのです。
吃音 に似た症状がある方は学童期からそれを自覚し、あきらめながらも悩んでいる方が少なくありません。
自分でレッテルを張り、抜け出せないものだと決めつけることはありません。
発声は身体上の癖 です。いつからでも変えられます。
発声の専門士と共に、少し発声の機能性を高めることはその後の人生の大きな財産です。