発声障害をボイストレーニングで改善し、再び歌えるようにもなった
2019/12/12
発声障害は、ボイストレーニングを始めればいつからでも改善することが出来ます。
実は今までと同じように声を出してきたのに、特に声を酷使したわけでもないのに
60代、70代で 発声障害に陥る場合も多くみられるのです。
今までと同じ声の出し方と同じでも何か喋りづらい、と感じるようになったら、
言語聴覚士でもあるボイストレーナーが行う 治療的ボイストレーニング をお勧めします。
声帯は粘膜でありとても繊細な筋肉です。
全身の筋肉でさえも加齢とともに衰えやすいのに、喉頭の中に収められている声帯は、
非常にデリケートで小さな発声器官の筋肉ですので、年齢と共に変化しないわけはありません。
また、
日々の体調によっても声帯粘膜の状態は変化します。
全身の健康状態と咽頭・喉頭の粘膜の状態とは無関係ではありません。
声は生ものと言ってよいのです。
また構造的にも筋力の支えが弱くなってくると、喉頭の位置も高齢者では頸椎2~3個分下がると言われます。
すると、声帯の位置も下がるということになります。
このように変化してゆく発声器官に対し、今までと同じ発声では負担になることもあるのです。
写真のHさん(東京都 70代 男性)は、70代に入り、普段の会話時に
出だしの声が出しにくいと感じる日が時々起こるようになりました。
また、頻繁に声の掠れを感じることようになったといいます。
カラオケ等で歌おうものなら、すぐに乾いたカサついた声質に変化し、肉声の響きが無く声帯が疲弊した感じになって短時間で歌えなくなってしまう。
歌うことが大好きだったHさんは「昔はいくら歌ってもこんな声がかすれることなんてなかったのに。また歌えるようになりたい」
と、レイクラブのボイストレーニングを開始しました。
当初Hさんは、軽度の発声障害の症状があったにもかかわらず、
声が出にくいからと自己流に発声練習を行っていました。
歌唱系のお教室で声帯が健康な人が行うような、いわゆる音階のついた発声練習です。
舌の力みと喉頭の力みをセットにして、声帯を強く締め、
強い地声で音の高さのみを合わせることに重点を置くような声の出し方は
明らかにHさんの声にとって弊害になっていたことは明らかでした。
それを中止してもらい、Hさんにとって必要な声帯の柔軟性を引き出すボイストレーニングの方法を教え
発声練習取り入れてもらいました。
喉頭を緩めながら音の高さを滑らかにずり上げてゆき、最終的に声をひっくり返し裏声にするのです。
その時にもただ裏声にすればよいのではなく、呼気との連動性のコツが必要です。
また、
Hさんもそうでしたが(男性に多い)、低音の声の響きを内耳で聞きすぎているために、
喉頭、舌の奥を下に下に下げようとする傾向は 声帯に多大な負荷をかけてしまうのです。
その発声練習を取り入れてもらうようになってからHさんの声や歌に変化の兆しが見え始めました。
声が主に胸に響かせていたのが、顔面に響くようになり、
息と声が一緒に口腔に入ってくるようになりました。
Hさんはレッスン内で歌っていても、格段に声の音域が広がってきました。
また歌う時間が経過しても声の掠れが以前よりも減少し、
のどの奥にこもって聞こえた声が通るようになってきました。
Hさんは
「声の調子が悪くて出せなくなっていた音域がラクに歌えるようになったなあ。」と変化を実感しています。
このように、正しいボイストレーニングは、年齢に関係なく、何歳からでも行えるものですし、
声の調子を整えてくれるものです。
むしろ、自分の声の不調・異変に向き合い正しいボイストレーニングを知ることで、発声障害を重くさせずに済みます。
声は自分のアイデンティティーそのものです。声の調子が良いことは、毎日をいや人生を輝かせてくれます。
レイクラブは、どこまでもその思いに応えます。