発声障害の緊張性と痙攣性の違い
2019/12/10
発声障害とは、主に声帯そのものには器質的な病変がない(声帯ポリープや声帯結節が無い)のに
声が出しにくい症状を指す障害名です。
脳梗塞などの脳血管障害の後遺症として、脳神経の運動神経回路にダメージが残り、発声障害になる場合もあります。
しかし、最近の若年層の声優さんや、学生、ビジネスパーソンに発症する発声障害は、脳血管障害や脳神経系の病気ではなく、
主に「声の酷使」が原因です。
要は声を出す発声に関連する発声器官に無理がある使い方を習慣にしたことに因るものです。
声が出しにくいと感じたら、病院の音声外来や耳鼻科クリニックで、一度は声帯を検査したことでしょう。
痙攣性発声障害や、過緊張性発声障害、機能性発声障害などと診断名が違っていることがありますが、
声帯そのものに病変が無ければそれは全て「機能性発声障害」と言うことになります。
その中で
「痙攣性」と「過緊張性」の違いはなんでしょうか?
レイクラブに全国からいらっしゃる生徒さんのこれまでの臨床の経験から言うと
声の締めつけ感が強く、声が外に抜けていないでこもった感じに聞こえる場合は「過緊張性」と言えます。
また、出だしを絞り出すようにだす「爆発性」を帯びたようになるのも特徴です。
それに対し「痙攣性」は、声がぐらっとする、声が不揃いに揺れる、
急に声が鼻に抜け音が抜ける、などの特徴があります。
しかしこの「痙攣性」という表現は声帯が決して痙攣しているわけではないのです。
声帯が開こうとしている筋と閉じようとしている筋とで力が拮抗している状態で、そう見えるのです。
「過緊張性」も「痙攣性」も声帯に不必要な力が加えられている点では同じです。
レイクラブでは、このどちらのタイプでも改善できるボイストレーニングのノウハウがあります。
病院や耳鼻科クリニックで行われている、画一的な「腹式呼吸第一」とうたうマニュアル通りの音声訓練ではなく、
個人個人に合わせた進め方で、一番の改善ポイントとなる点から入ってゆくので効果が出やすいのです。
発声障害は、もちろん精神的な「心因性」と全く関係が無いわけではありませんが、
「声の出し方の癖」がそれ以上に関わっています。
とにかく、必要以上に発声器官に力みを加え続けてきた結果なのですから。
先ずはその自分の癖を知り、発声の仕組みを理解する、そして
正しい機能性の運動感覚を取り戻すボイストレーニングこそが、結局は発声障害を改善する一番の近道です。
声帯へのボツリヌス注射は、根本的な改善を先延ばしにするだけです。
声帯にいくら力を入れても閉じないので、脳の指令と運動感覚のギャップを大きくするだけだからです。
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