風邪の治りかけの声枯れに気を付けよう!発声障害への引き金になることも

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風邪の治りかけの声枯れに気を付けよう!発声障害への引き金になることも

2019/11/27

声優・ナレーションの養成所に通うMさん(20代女性神奈川県在住)は、

夢を追いかけて高知県から上京して一人暮らし。

週3日養成所のレッスンの忙しい合間をぬって駅ナカの人気パン屋さんでアルバイトをしています。

早朝から大きな声で「いらっしゃいませ」「ありがとうございました」という定型文はもちろん、

呼び込みやレジ、業務中は常に元気よく、という店内の決まり事で大きめの声を出しているそうです。

 

そんなMさんは、時々アルバイト中に 声の異変を感じる ことが出てきたと言います。

急に声がかすれたり声が割れるような感じになり、声質が急変することがある、と。

すると、余計に声が出しにくくなり、それでも大きめの声を出さなくてはならず、頑張って声を出している、というのです。

特に ことばの出だしが言いにくく感じる そうです。

しかも、週3日養成所でも演技やナレーション原稿を読むときに声を張って出しているのですから、全く声を休める時がありません。

 

先日、Mさんは風邪を引いて声枯れをおこし、風邪の治りかけの状態でレイクラブのレッスンに来ました。

Mさんの声は二重に割れ声の高さは低くなって喉の奥にこもり、全然いつもの声質ではありません。

その治りかけの声枯れの状態でも、アルバイトで頑張って大きな声を出してきたというのです。

明らかに声帯閉鎖が危険な状態になっていることが判断できました。

すでに以前から頑張って声を出しているMさんの発声は

「軟口蓋の力みやすい(下がりやすい)」状態に傾いていたので、それに声枯れが追い打ちをかけていたのです。

 

こういう状態でいつも通りに声を酷使することで、声が二重に割れる状態から抜け出せなくなり

発声障害が残存してしまうケースも多いのです。

 

Mさんにまず、下顎を緩めて口を開け、その状態で口の中で舌をわずかに浮かせるようにして上げてもらいます。

やはり、舌先も細く力んでおり、舌根が下方に潜りこみ、舌が前方に出すぎています。

これでは軟口蓋は下がりやすくなってしまうのは当然です。

 

口を開けたまま舌を少し引いた状態で浮かせたまま、鼻と口に交互に息を通してもらい、それから口呼吸を繰り返しました。

この時しっかり下顎が緩んでいないと、のどの奥が緩みません。

喉の奥が次第に緩み、舌先も緩むと少しずつ舌根が緩んでゆきました。

そして、息を吐きださないよう注意しながら軟口蓋を力ませずに、声帯閉鎖の位置を正しい位置に戻してゆきました。

するとMさんのいつもの声質が戻ってきました。ビックリするMさん。

息漏れの少ない、軟口蓋の力みもなく声帯に力のかからない状態でラクに声が出るようになると、

声枯れの部分がほとんどなくなりました。

 

私はこの風邪の治りかけでの声枯れの時に、Mさんがレッスンに来てくれて本当に良かったと思いました。

そのままの状態で頑張って声を出していたら、そのまま発声障害に突入してしまうところでした。

 

そのレッスンから次のレッスン時に来た時は、Mさんの声質は完全に以前と同じ響きに戻っていました。

風邪の治りかけの声枯れには十分注意して(絶対ささやき声にしないでください!)、正しいボイストレーニングで声の調子を整えることをお勧めします。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

舌根が緩んできたのが分かったので、