発声障害の改善のポイントは普段の生活習慣を見直すことにある
2019/11/26
痙攣性発声障害 や 過緊張性発声障害
あらゆる 機能性発声障害 とは、
声帯そのものに異常は無いのに声が出にくい、という症状です。
風邪を引いているわけでもないのに 「声が出しづらい」と感じ、あなたは
耳鼻科や音声外来のある病院・クリニックへ受診されたことでしょう。
そこでの経鼻的ファイバースコープで声帯視診を行ったことでしょう。
そこで医者に「声帯結節や声帯ポリープなどは無く、喉頭や咽頭、声帯そのものは特に異常が無い」と言われたら、
機能性発声障害 はすでに始まっています。
喉頭に異物感がある、何か違和感がずっとある、頸部前面下方に妙な凝り感を感じる場合、
少し長く話しているとかなり疲労感を感じる、なども
機能性発声障害の症状のひとつです。
先ずは自分の生活習慣を見直すことが重要です。
喉が気になるからと言って 頻繁に咳払い をしたり、頻繁に唾液をゴックンと強く飲んでいませんか?
これは早急にやめなければならない習慣です。
また、アレルギー性鼻炎や風邪の治りかけに
頻繁に鼻をすすって軟口蓋(俗にいう「のどちんこ」)を引っ張っていませんか?
これを頻繁に行うと 軟口蓋が下がる癖がついてしまうので 話しづらくなる原因のひとつです。
会社などで声量を気にして ささやき声 で話していませんか?この「ささやき声」の機会が増えるだけで、
声帯開閉の癖がついてしまうこともあります。
無意識に 舌先を前歯裏や下の歯の内側に押し付けていませんか?
舌の力みは軟口蓋の力みや喉頭の力みを誘発してゆきます。
パソコンや何かに集中している時、奥歯を噛み締めていませんか?
ずっと奥歯が接触していたら、それはもう下顎に力みがある ということです。
通常、食べる時以外は左右の両奥歯は合わさることはありません。
この下顎の力みも、気を付けなければならない生活習慣です。
電話応対や挨拶などで「きちんと言わなければ」と意識するときほど
話し出す直前に沢山息を吸ってから お腹に力を入れて いませんか?
これは 呼吸の力み となり、それだけで話し出す前に声帯を強く閉じる結果となり、またそれと同時に
軟口蓋の力み を誘発します。
また、割と声量を出す場面で、声を出す直前に 息をたっぷり吐きながら声を出す と思っていませんか?
これを意図的に行うと、呼気と声帯閉鎖のタイミングが生理的な状態からかけ離れてゆき、声帯閉鎖の位置がズレてゆきます。
この息の吐きすぎも発声障害を発症する原因となります。
大きな声を出す機会が多い仕事の方は特に気を付けたい習慣です。
このように私たちの「発声」は、心理的な状態が身体的な力みに置き換わることに繋がることがあります。
何気ない普段の生活習慣に先ずは気づくことから始めましょう。
そして、いったん身についてしまった身体的な発声の癖は、自分ではなかなか抜け出せないものです。
発声障害専門のボイストレーニングで、正しい発声機能の回路に戻すことは可能です。
先ずは、気づくことから始めることです。