オンラインレッスンで発声障害改善の効果を実感できます
2019/10/22
過緊張性発声障害や けいれん性発声障害 の症状を持つ方々にとって
「何が改善につながるか」をまず情報として知ることはとても重要です。
病院やクリニックなどで行われている対症療法が全てではありません。
そこで行われている音声訓練も、全ての人に効果が出るわけではありません。
それには個人差があります。
身体的なほぐしや自律神経を整える鍼灸治療や、漢方薬の服用のみで
かなり改善する方もいますが、
それだけでは満足のいく治癒に至らないこともあります。
「自分にとって何が改善の効果的なポイントになるのか」、を的確につかむことが
意外にも難しいのです。
最近発声治療室レイクラブにお越しになったMさん(茨城県在住・50代女性)は、
発声障害を発症してからすでに10年の月日が流れていました。
Mさんはこれまでにも3件の病院やクリニックでの受診や、何回か音声訓練を受けて来られましたが、どれも効果を実感できませんでした。
とうとう良くなるならという思いで、某有名な音声クリニックで勧められた
声帯へのボツリヌス注射を試み、1年半経過後お越しになったのでした。
「かえって悪くなった」「声が以前よりもかすれてしまった」
とMさんは言いました。
このように、むしろ「やるんじゃなかった」と、病院やクリニックでの対症療法後、後悔するケースも多いのです。
これまでにも私はたくさんの方々を診てきました。
病院やクリニックでの音声訓練を10件以上まわって受けてきたが一向に良くならない、
声帯への外科的手術を3回行っても、また声のつまりや途切れ、のどのつまりが再発した、
ボツリヌス注射を10年以上続けているが、この先一生続くのかと思うと不安だ、
などの声を聞くたびに、的確な改善方法の情報が得られずに「発声障害難民」のごとく
さまようことになってしまったことに心を痛めます。
Mさんは、発声治療室レイクラブの初回来校時、遠方からお越しということもあり、
体験レッスンと本レッスンで2時間受講されました。
レッスン後、声のかすれが取れて発声改善を実感されたとき、
涙を流して「早くここに巡り合いたかった」とおっしゃいました。
それから約1か月後Mさんは、2回目のレッスンからオンラインレッスンを受講してくださいました。
「1か月前レッスンの直後は声が出やすかったのですが、また少し声の出づらさを感じます」
「頑張って声を出さないと出ないって感じです。身体もきついです。」
というMさんのスマートフォン越しの声はまたかなりかすれている印象でした。
そこで、私は注意深くMさんの声を観察し、一番今のMさんにとって必要なトレーニングを行いました。
始めは、初めてのオンラインレッスンということで頑張って声を出そうとしていたので、すぐに私は「頑張らなくてもいいんですよ。もっと楽にしてくださっても十分聞こえますよ。」と度々促し、トレーニングを遂行しました。
するとレッスン後半、Mさんはふと、
「あっ、なんだかとっても声が出しやすくなってきました。」とこぼしました。
私も聞こえてきたその声質で納得しました。
「コンスタントに先生のボイストレーニングを受けたら良くなる気がします」
と笑顔でMさんとのオンラインレッスンを終了しました。
諦めずに自分の声を取り戻す歩みを続けることこそが、発声障害最大の改善のポイントです。