声の震え・声のつまりが治ってスピーチの声量も出た!
2019/09/09
声の震え・声のつまりを改善
Tさんは女性の運転士。と言ってもタクシーでなく、バスの運転でもない、電車の運転士です。
工学系の大学を卒業した理系女子で、夢を叶えて運転士になったTさん。
彼女にとって人生の苦難に直面したのは、発声障害の発症でした。
学生時代は、バレーボール部でガンガン声を出していたTさんでしたが、
「出だしの声がつまる」、「なぜか声が震えてしまう」、「挨拶がしにくい」、「会話中話しづらくなる」、ざわついた環境で「声が届かない」、と感じるようになったのです。
脳神経外科などで色々な検査を行ったものの異常なし。
耳鼻咽喉科での声帯そのものの異常が無いということで「発声障害」ということばを知ったそうです。
Tさんがレイクラブに来た当初、顕著にこれらの発声障害の症状が見られました。
実際、声量も声がのどの奥にこもってしまうため、小さな声量 しか出せない状態でした。
Tさんの中で、こうなってしまった原因ははっきりしていました。「声の酷使」です。
運転士として勤務するにあたり「車掌」経験も2年間必要で
「車内アナウンス」をするようになったことが直接の引き金になった、と言います。
決められた文言を一語一句間違わずにきちんと言わなければ、とする意識から
発声に力みを加える習慣がついてしまったのです。
そして、その車掌勤務が終わった後も、後遺症に悩んでいたのです。
それからTさんとのレッスンは始まりました。
発声の機能性の回復には段階があります。ある段階が着実に出来ないと、上位の段階の事は身に付きません。繰り返し繰り返し、反復しながら徐々にレベルを上げてゆきました。
Tさんはコンスタントに月に最低でも2回レッスンに通いました。
声帯に力がかかり閉まりすぎる状態に陥らないようにするための、根本的なボイストレーニングを行ってゆきました。
よく発声障害の方が、一般の歌唱系ボイストレーニングや話し方教室などで行っていることをやっている場合があります。
それは全て「的外れ」となり、むしろ弊害となります。間違った発声を強めるだけになってしまうのですから。
まずは 舌の力み癖を矯正する「舌形状トレーニング」、
そして 下顎への力みを取り、
下顎と舌との運動分離を図るトレーニングを並行して行います。
これもレイクラブに来るほとんどの方に見られる症状ですが、
舌と下顎の力み はセットになって 軟口蓋の動き までも邪魔するようになっています。
この軟口蓋の機能性を正常化させるための内容はとても重要です。
そして去年の5月、Tさんに発声改善トレーニングの成果を発揮する場がやってきました。
ご自分の結婚式の華となる 「両親へのお手紙」 です。
3か月くらい前から発声のトレーニングと並行して、スピーチの練習も行いました。
その甲斐あってTさんは自分のことばで、自分の声で読み上げることが出来たのです。
Tさんは
「無事お手紙を読み上げることが出来るなんて、本当に発声改善してきてよかったです!自信が付きました!」と嬉しい報告をしてくれました。
自信がついたTさんは、さらにその4か月後、親友の結婚式の友人代表のスピーチまでも成功させました。そのスピーチは親友のご両親が絶賛するほどだったそうです。
レッスン開始から2年経った今現在、Tさんの声はのどの奥に声がこもらず、声が口腔にしっかり入って来るので声量も出てきました。ほぼ発症前と変わらない声量になったそうです。
現在のTさんは、日常生活や勤務中における 声の不安はほぼ無くなりましたが、
声の維持 のためにトレーニングを続けています。