学生時代からの過緊張性発声障害を改善したい
2019/08/26
本日も「痙攣性発声障害のためのボイストレーニング」本をAmazon から購入の方の、
アフターサービス無償レッスン1Hを行った。
Hさん(30代・男性・神奈川県在住)は言った。
「僕は先生の本を読んで、合点がいき自分の症状がとても理解できました。長年の謎が解けるような目から鱗が落ちるような大発見です!」
とのことだった。
Hさんは
高校生時代に過緊張性発声障害を発症し、大学生時代に症状が悪化のピークに達したという。
普段の会話やアルバイトも支障が出るほどであったが、それから15年経過し、喉頭専門のマッサージなどに通い、
その後は放置、なんとか普段の会話が出来るまでには回復した。
彼は現在、社会人8年目のITエンジニアとして勤務している。
大学生時代の一番悪化した時期からは断然話せるようにはなったものの、まだ日々の 症状の悪化度合いには波がある という。
「声の出が良い調子のよい期間はいいのですが、ひとたび声が出づらくなるスイッチが入ると1か月くらい声が出にくい時期が続いたりもします。」
また、
「仕事中のどが絞まりだすと急に声が出づらいですし、息も苦しくなります。話の内容に気が回りません。
そういう意味では仕事中にまだ支障があります。根本的に治せるものなら治したいです。」と語った。
これは、多くの発声障害の経験を持つ方が日々感じることである。
Hさんはとても素直に自分の発声障害のこれまでの経緯を話してくれた。
なぜ症状に波があるのか、その原因を知りたいという。
簡単に言ってしまえば、声帯に 「物理的な力」がかかるか、かからないか 。
喉頭に力がかかり、臨界点を超えると声帯が強く絞まるので途端に悪化する。
実はこれは、声帯に力がかかってしまうような大元の原因が他にあるからそうなるのである。
喉頭に力がかかる大元は 下顎に原因がある ことが多い。
本来の下顎の緩みが狭い状態で(もしくは左右が歪んだ状態で)固定されてしまっているのである。
Hさんもそうであった。顕著な かみ合わせの歪み が見られた。
これが、生理的な声帯の閉鎖状態を歪ませる、 大元の原因なのであると私は推察する。
ゆえに下顎の関節が今までよりも一段緩むようなマッサージの手技から行った。
さらに、本の内容に沿って、舌根を弛緩させながら声帯を鳴らす「舌根弛緩止気発声法?」を行った。
また、下向きの「ん」から「う」 (舌奥を上げてからの軟口蓋の上げ下げ)など も行うと声が
呼気と共に口腔内に来た。
その後、Hさんの声が掠れのない、口腔内に良く響く澄んだ声質に変化した。
Hさんは「今週に入って声の調子が悪かったのが良くなったのを感じます。声が出やすいです。」とのことだった。
本の内容全てをやるには到底1時間では足りないが、ほんの1時間内にやれたことは大きい。
発声は、発声器官全体の位置関係や機能を考え、声帯が本来の生理的な機能に戻るように お膳立てをしてあげること
が一番重要なのだ。
これをきっかけにしてHさんが、発声障害の根本改善に至る決意をしてくれたら、と思う。