過緊張性発声障害がボイストレーニング3か月で改善
2019/07/11
過緊張性発声障害がボイストレーニング3か月で改善
過緊張性発声障害がボイストレーニング3か月で改善
過緊張性発声障害の治し方
過緊張性発声障害は、のどが強く絞まり、声質が苦しそうな感じに変化することが特徴的です。
声を絞り出すようにして出すように聞こえます。
そんな症状に悩んでいた、元僧侶のSさん(東京都在住・60代)は、レイクラブに通って4ヶ月めになります。
Sさんは、声が出にくくなってから病院で診察を受け、「過緊張性発声障害」と診断されました。そして
大学病院の音声外来にて音声訓練を半年以上受けていましたが、「医学的に改善できることはもうありません」と
さじを投げられてしまったのです。そこで、Web検索にてレイクラブにいらっしゃったのでした。
私からしてみれば、「医学的に何もできない」のではなく、
Sさんの症状を改善するためのポイントから的外れな事を訓練でやらされていただけと言わざるを得ません。
発声障害の中でも、過緊張性発声障害は発声の土台である「呼吸機能」の悪習慣が根深く関連していると感じます。
それは、発声時に「呼吸の力み」を加えてきているのです。分かりやすく言うと、お腹に力を入れ、
息を維持させる働きを異常に強く加えてきているということです。
Sさんは、元僧侶として読経の際、息を長く持たせながら声を頑張って出すあまり、異常なまでに腹部やみぞおちに力みが入ってしまうようになったのです。
発声時、ほとんど息が流れていないと思われるような状態になります。ご自身でも「息が止まる」くらいに感じられ、のどの絞扼感が強く「苦しい」そうです。
Sさんは「自分でも、お腹やみぞおちにこんなに力が入っていたとは知りませんでした。最近、その力みが分かるようになりました。」と言います。
最初は何も手が付けられないような状態から、一つひとつ、考えられる発声器官の力みを取り除いてゆくレッスンをしてゆきました。
まずは舌。下顎、そして軟口蓋。そして呼気の保持のために腹筋やみぞおちに力みを入れない訓練をしてゆきました。
すると、
2か月を過ぎたころからSさんはレッスン内でも、こちらの提示するいろいろな訓練がスムーズに出来るようになってきました。自宅でも習ったことを復習できるようになったそうです。
そしてレッスン開始前のある日
「声を出す時、息が止まらないようにするコツがわかってきました。」とSさんは言います。
会話中、ほぼ元の声質と同じ滑らかに話せることが増えてきました。
発声器官の一つの力みが取れると、必然的にそれに関する他の器官の力みも解除されやすくなってゆきます。
それがまた別の部位に連鎖してどんどん緩みを感じられるようになるのです。
そして、また最初の部位に戻ると、力みのレベルが下がったところから段階的に緩められるようになるのです。
写真は、あおむけに寝て身体をリラックスさせ下顎と喉頭を緩め、呼吸をラクにした後、
舌根をしっかり緩ませた状態で発声する訓練中のものです。
舌根がゆるみ、舌全体が本来の位置になると、声帯がラクに鳴りだしました。
あとはほんのわずかな舌形の変化のみで、5つの母音をなめらかにつなげて変化させることが出来ました。
これにはSさんもびっくり!
「舌を緩ませると、こんなに声がラクに出るんですね!」
その状態だと、文章までもすらすら言えてしまいました。
舌の力みが無い時、これほどまでに声帯はスムーズに作動するのかと、本当に私もびっくりしました。
そして、
Sさんは今4か月目にして、過緊張性発声障害の症状はさらに改善し、あと少しというところまできています。
さらに普段の会話では元の声の状態で話せることが多くなってきました。しかし、
文章が長くなってくると声のつまりが出てくるので、そこを克服すべく週1回のハイペースでレッスンを続けています。