咳払い・咳風邪から発声障害に
2019/06/30
咳払いが止まらない
咳払いから発声障害に
咳払いをしすぎることや、咳風邪が長引いてしまったことで、発声障害を発症させることもあります。
咳や咳払いは、声帯を強烈にぶつけて、内転(閉じる)させています。しかも強い呼気を伴いながら声帯をぶつけているので、声帯のみならず、喉頭にも力が加わります。
それを癖付けてしまうことで、声帯が過内転しやすくなるのです。
長引く激しい咳が原因で、声帯ポリープや声帯結節が生じることもあります。すると声が割れたり、二重になったりします。
その声の状態のときに頑張って大きな声で話したりすることで、発声障害に陥るケースが意外にも多いのです。
現在、京都から通う、社会人2年めのIさんは、発声障害の発症に至った原因がはっきりしています。
去年の夏咳風邪が3週間治らず、声が枯れていたのに職場で当番の朝礼の司会進行役をやっていました。
若干大きめの声を出さなければならず、頑張って声を出していました。
しばらくすると、
わずかにのどが閉まっている感覚が出てきたそうです。
さらにそののどの違和感が気になって、頻繁に咳払いをするようになったといいます。
そして、秋には、声を出す時にさらにのどの絞扼感が出るようになり、第一声目が出にくくなりました。
発声障害の発症です。
Iさんは、「その時期が元で、咳払いをする癖がつき、なかなか癖が抜けません」と言います。
気が付くと、話そうとする前や少し緊張を感じる時に咳払いを何回もしてしまうそうです。
まずは、咳払いを意識的にしないという生活習慣をつけることがとても重要です。
声帯は、息をする通り道上にあることはみな知っていることでしょう。
気管支の一番上にあたる喉頭の中に声帯は位置し、開閉する門の役割をしています。
息を吐いたり吸ったりする際、声帯は無意識的に軽く開いたり閉じたりしています。
本来、声帯の感覚はほとんどありません。ゆえに息をコントロールすることだけで、声帯を酷使することになるのです。
長引く咳風邪の際は、早い咳止めの処置を行うことが大切です。
また、咳払いの癖がある場合、意識的にそれをしないよう心掛けましょう。
それが自分の声を守ることになるのです。