痙攣性発声障害を治して歌えるまでになった!
2019/06/23
地道なボイストレーニングの成果
痙攣性発声障害から歌えるまでに
声がつまる、声が途切れる、声の揺れ、声が割れる、かすれる等が起こるなど、
普段の会話に困難な声の症状が出る 痙攣性発声障害。
写真の、マイクを手に歌う女性は、元痙攣性発声障害だった生徒のMさん。(20代・埼玉県在住)
来たる7月20日(土)のレイクラブ発表会「フリーダムパーティー」への参加に向けて、
おととい、初めての伴奏合わせ会に参加した。
伴奏合わせ会で歌った2曲は、女性のキーでも少し高めだろう。
上の「ド」 やさらには「レ」まで出てくる、流れるような曲調のかっこいい曲もあった。
なんと歌えているではないか! 私の内心抱いていた心配は一気に吹き飛んだ。
現在、Mさんは歌えるまでに回復したのである。
彼女は20代前半にして痙攣性発声障害を発症し、楽器店での接客業を含む職場で、声が思うように出せないことから退職し、次の事務系の職場でものどが絞まってしまい電話応対が思うように出来ず、周りに理解を求めつつも
辛い思いをしていた。
そして2年前、発声治療室レイクラブ入会にてボイストレーニングで治すことを決意。
月2回の無理のないコンスタントなペースで、レッスンに真摯に取り組んできた。
Mさんとのこれまでの月日を思い返してみる。本当に良くここまで私を信じ、Mさんも頑張ったと思う。
レッスン開始から7か月くらいころまでは、レッスン内でもなかなか苦戦していたことを思い出す。
舌の形状を整えて、舌に力みを入れずに声帯を鳴らすレッスンや
軟口蓋の動きを正常化させる内容、
下顎の力みを抜きながら舌の運動を図る、舌と下顎の運動分離を図る内容など
を何度も繰り返し行っていた。
Mさんの良いところは、実に「素直なところ」である。内心はなかなか声が戻らない不安もあったと思うが、一切口には出さず、焦らず本当に地道に辛抱強くレッスンを重ねていった。
長期間、発声器官のあらゆる個所に力みを入れながら声を出してきたMさんの声帯は、
その生理的な肉声の鳴りを回復するまでに時間を要したのである。
去年の今頃は、
話していると声質がいびつに変化してしまうこともあったし、生理的な肉声の響きが乏しかった。
声の高さの移行をなめらかにつなげて出すレッスン内容が始められるくらいの回復度合いだった。
それでも
レイクラブでのレッスン内容を自身の生活にしっかり落とし込んで、実践していることが見て取れていた。
そして今年に入ってから自宅での自主練習のみ、半年間レッスンには来れていなかったが、
なんとMさんは歌えるまでに声が回復していたのである。
Mさんは
「レイクラブでいろいろ教わったことを、いつも気を付けながら生活していました。歌うことができるなんて、本当にうれしいです。」
と笑顔で語ってくれた。
この成果は、レイクラブでのレッスンで学んだことを、Mさん自身の生活に落とし込んでいった努力があってこそ。
来月7月20日(土)、発表会「フリーダムパーティー」でMさんの歌声が聞けることが、私もとても楽しみである。